アドレスV125全波整流化とは!?

<アドレスV125はHID化により何故バッテリーが上がるのか?>

アドレスV125にHIDを取付るとHID取付にも書きましたが電圧不足になりバッテリー上がりを起こす可能性があります。
HID取付のページでも対策方法を紹介しましたが、そのさらに上をいった対策がこのページ内容の核となる単相交流全波整流化のやり方です。
が…その前に冒頭に書いたノーマルの消費電力40WからHID化して消費電力35W(←私の選んだものは)に下がっているのにバッテリーや電圧の事を気にしなくてはならないの?
と言う疑問から解決します。

アドレスV125は交流ACで発電しその電気を直流DCに変えて(整流して)バッテリーに蓄えています。これはアドレスV125に関わらず車なんかも同じです(単相交流と三相交流など細かい違いはありますが)。
しかし、アドレスV125はヘッドランプとストップランプだけは交流のままで点灯させています。
HIDは基本直流で使用します(最近、交流のまま使用できる製品もあります)。ですからHID化し、ストップランプも直流化したアドレスV125にはもはや交流の電気は不必要になり、すべての電装をバッテリーからの供給に頼るかたちになります。バッテリーからすれば今までヘッドライトとストップランプには供給していなかった電力を供給しなければならない大変お気の毒な状態になるわけです。(ストップランプを直流化していない場合でもHIDの消費電力分だけはバッテリーに負担をかけます)

では、わかりやすく簡単な図解で表してみます。
なので、単純に40W→35WだからOK!と言うことにはならないのです。
バッテリーからすれば35Wは40Wに変わるものではなく全く新しい別の余分な35Wということです。テールランプを直流化していれば、ブレーキランプ点灯時はさらに23Wが上乗せされるわけです。
これがアドレスV125のHID化によるバッテリー上がりの真相です。

<全波整流とはいったい何か?意味>

ACジェネレーターによる一種の整流方法を指します。
アドレスV125のノーマルは単相交流による半波整流方式が採用されています。
これを単相交流による全波整流方式に変えるということです。

これでは意味がよくわかりませんね。ではまたしても図解でいきます。
オシロスコープで見るとこの様になっています。
単相交流の波形です。
交流なので+と−が交互に入れ替わります。
余談ですが三相交流はこの一本の波形を120°づつずらして発電しています。
アドレスV125はこの波形なので半分垂れ流しにするのはもったいないです。
ノーマル時はヘッドランプとストップランプに使われていますので、捨てている訳ではありません。
せっかく発電したのだからすべて直流にして100%使い切ってやろうという訳です。
今まで交流(AC)でヘッドランプとストップランプにいっていたものも直流にするのでノーマルの消費電力を超えなければ大丈夫です。

しかしこの改造を行う場合、ノーマルのレギュレートレクチファイヤーは使えなくなります
もともと全波整流方式を採用している車種からレギュレートレクチファイヤーを流用する必要があります。

単相交流全波整流レギュレートレクチファイヤーの流用

ここで問題が発生します。最近の車種で単相交流による全波整流方式を採用しているのがあまりないようです。ホンダのNX125用が使えるという情報を得たのですが、困った事に廃盤で現在は入手困難のようです。
しかしながら、同じくホンダのジョルノクレア(BA−AF54)が単相交流による全波整流方式を採用していてそのレギュレートレクチファイヤーが流用可能です
新品入手も可能なので私はこれに決定しました。
当然、流用にすぎないのでカプラーのサイズや電源等の位置も全く別物なので配線加工が必要です。
また流用可能なジョウルノクレアのレギュレターは2種類あります。

<アドレスV125のレギュレターからジョルノクレアのレギュレターへの結線方法>

ジョルノクレア用レギュレートレクチファイヤー6Pカプラー、ツメを上にした状態。
アイドルストップ無し(スタンダード)
部品番号:31600−GEE−003
定価 6,600円(H20.10現在)
カプラー色:緑
アイドルストップ有り(デラックス)
部品番号:31600−GEE−901
定価 不明
カプラー色:黒

緑 アイドルストップ無し

黒 アイドルストップ有り
アドレスV125
レギュレートレクチファイヤー

<4Pカプラー>
アイドルストップ有りを入手した方から何件かのお問い合わせを頂いたので調べてみました。すると、以前にこのページではアイドルストップ無し()とアイドルストップ有り()のレギュレータにより結線方法が異なると記していたのですが、それが間違いで結線方法は同じになります。私の記載情報の誤りをこの場を借りてお詫び申し上げます。
それぞれのレギュレータの違いは内部構造で、真ん中の端子下段のピンの役割が異なる様です。
アイドルストップ無し()は前照灯アースで、アイドルストップ有り()が恐らく下記の発電フリクション云々の制御関係のものかと思われます。
HONDAの情報によるとアイドルストップ有り()のレギュレータには発進時の発電フリクションを減少させる(発進時に電圧を12Vに抑える)というような機能がある様で、特にアドレスV125の全波整流では必要ないかと思います。
なのでアイドルストップ無し()のレギュレータもアイドルストップ有り()のレギュレータも結線するのは4本のみで、真ん中は何も接続しなくて良いと思われます。
カプラー図の背景色はアドレスV125の車両ハーネス色で図の位置に結線する。
※配線加工時、6P250型のツメ付きメスカプラを用意しておくとジョルノクレアのレギュレートレクチファイヤーにピッタリ収まります。

アドレスV125全波整流化<ステータコイル加工>

<充電装置・ステータコイルの加工>

オシロスコープによる半波整流から全波整流への波形のイメージは掴めたかと思います。そこで今度はステータコイル部の絵を添えてどう加工するのか説明します。
半波整流 アドレスV125のACジェネレーターです。(発電機)
ピンクの枠内がステータコイルです。
これを加工します。
水色の枠内それぞれを切り離します。
次にそれぞれをハンダ付けします。
結線の際、アースに触れないようにしっかり絶縁する。

作業はこれだけですが、かなり細かい作業になります。
全波整流 <ワンポイント>
黄/白の配線はそのままでは長すぎるので短く切ってからステータコイルと結線します。

これが完成図です。
ここまでの知識があれば全波整流化するのに十分です。
あとはバイクをバラす要領だけ。(私は仕事柄こういうのは問題ありませんので♪)
では実際の作業手順を追って見ましょう。

アドレスV125全波整流化 作業手順

ここから先はHID化(ノーマルヘッドランプの方はその直流化)とストップランプの直流化(DC化)は作業済み前提で進めます。

<ステータコイル加工作業手順>

車両右側からマフラーを取り外す。
エンジンオイルを抜く。
木やブロック等をフレームの下にかませて車体を浮かす。
車両左側からエアクリーナーの取り付けボルトを2本を外す。
手でエアクリーナーを上に持ち上げながらリヤショック下側の取り付けボルトを外す。
するとエンジンが下に下がり、ファンカバーを取り外すクリアランス(隙間)が確保される。
車両右側にまわり、ファンカバーを取り外し、クーリングファンを取り外す。
クランクケースのボルトを外してケースを開ける。

この時、クランクケースのガスケットが固着していて破れてしまう恐れがあるため事前にガスケットの購入をお勧めします。用意しないで作業して万が一破れたらその場で即、終了です。そのまま組み立ててもエンジンオイルがダダ漏れ状態に…。
これがステータコイルです。
ちなみに右上の10mm2本で止まっているのがクランク角センサーです。
ステータコイルを加工する際にステータコイルは勿論、クランク角センサーも外す必要があります。
写真、丸枠内の「黄/白」の配線をカットし、さらに短く切ります。(コイルの方はそのまま)
ステータコイルを裏返した写真です。

下の写真が加工部拡大写真です。
×印部のハンダを外します
次に先ほど短く切った「黄/白」の配線を右写真の様に取り回してステータコイルとハンダ付けします。
右の写真完成イメージと違い、コイルが思いのほか短いのでハンダ付けしにくいですが頑張って下さい。
これがボディアースと接触しない様にしっかり絶縁して元どおり組みなおせばステータコイル加工作業は終了です。
※エンジンオイル入れ忘れのないように注意。

<ジョルノクレア用レギュレートレクチファイヤーの取付>

フロントカウルを取り外します。
向かって左側、キーシリンダ横に右の写真の部品が10mmのボルトで固定されています。
これを上のレギュレートレクチファイヤー流用に書いたカプラ図に従って配線加工し、ジョルノクレア用と差し替えてください。
完成写真です。ジョルノクレア用のレギュレートレクチファイヤーがアドレスV125のものと比べてかなり大きいので取付場所に困ります。
私は延長ハーネスを作成して、さらに延長ステーを追加し取り付けました。この部品は大変高温になりますのでその他の部品と干渉しないように十分注意します。プラスチックなんかに接触したら確実に溶けてしまいます。
写真右) レギュに向かって左側のスペースに右ウインカーがくるのと向かって右側はハンドルを切るとハーネス類が動くのでこれらに干渉しない様に取り付けます。ちなみにこの写真は取付後4ヶ月くらい経ってからのものですので、この位置での干渉は見られませんでした。(固定用ステーはホームセンターで極太で頑丈そうなヤツを購入しました)。
取り付けがこの位置だとカウル中央部にダクトがあるので風通しも良さそうで良く冷える!?とか思っています。というか私の場合、その他にもゴチャゴチャ沢山付いているのでこの位置しかなかったんですけどね。
これで全波整流化完了です。
ただし、作業手順のみだしに書いた様にヘッドランプとストップランプの直流化がお済でない場合、エンジンをかける前に必ず行ってください。でないとエンジン回転上がると球切れしますよ。

<ハロゲンヘッドランプの直流化>(HIDの人は関係ない)

ヘッドライトがHIDでない方は「ハイ/ロー」切替スイッチ(ディマスイッチ)の入力にきている「黄/白」の配線をカットして車両側を絶縁。
次にディマスイッチ側とキーシリンダから出ている「橙/黒」の配線を追加配線で繋いで下さい。
これでヘッドライトの直流化(DC化)ができます。
HIDを取付てなくても前後直流化することでヘッドライトとテールランプがアイドリング時にちらつかなくなるなどのメリットがあります。あと、どうでもいいことですが「キーON」でヘッドランプとストップランプが点灯するようになります。
ストップランプの直流化(DC化)はこちら

アドレスV125の全波整流化完了! 比較検証

<バッテリー電圧測定 全波整流化前と後を比較しました>

全波整流化前
(半波整流)
エンジン停止 12.58V
アイドリングHIDオフ 14.8V
アイドリングHIDオン 12.40V
さらに下がり続ける
全波整流化後 エンジン停止 12.68V
アイドリングHIDオフ 14.54V
アイドリングHIDオン 14.25V
アイドリングHIDオン
ストップ点灯
12.21V
さらに下がり続ける
アイドリングHIDオン
ウインカー点灯
12.58V〜12.85V
注目するのは「アイドリングHIDオン」の電圧。全波整流化後は14Vを切ることがありません。
ストップやウインカーを点灯させると下がりますが、この状態ならバッテリー上がりはまずないと思います。結果は大成功に終わりました。

けど、、ここまでやったからにはいっそ14Vを切ることのない状態にしてみたくなるのが心情。
という訳でやりました。ストップランプLED化とウインカーランプLED化です。
この件について詳しくは「自作LED」のページで掲載します。

結果がこれ。(1分間くらいこの状態を保ちつつ電圧測定)
全波整流化
ストップランプLED化
ウインカーランプLED化
アイドリングHIDオン
ストップ+ウインカー点灯
14.25V
完璧な結果で感無量です。

アドレスV125の走行時充電電圧の測定

<走行時のバッテリー電圧測定>

先日、高分解能のDMM(デジタルマルチメーター)を購入したので、すぐに使いたくなって調べてみました。
DMMをバッテリーに繋ぎピークモード(最大値・最小値の読取)にし、そのまま走行しました。
結果が右の写真です。最大値は14.565Xでした。
けっこうエンジンを回しましたので、恐らく私のアドレスV125ではこれ以上は上がらないと思います。
レギュレートレクチファイヤがしっかり仕事している証拠ですね。
当初、整備マニュアルによる充電電圧の点検によると規定値がエンジン回転数5,000rpm時に13.5〜15.3Xなので私のアドレスV125は15Vを軽く超えてしまうのじゃないかと思っていましたが、どうやらいらぬ心配だったようです。もちろんHIDは点灯状態で測定しました。
これは関係ないですが、測定時の最小値の電圧です。つまりクランキング時の最低電圧で10.657Xです。
始動前は12.603Xだったので電圧降下は1.946Xといったところです。
あと測定中にふと感じた事ですが、アイドリング時にアクセルを「パン」と開けて戻すと、戻り際にエンジン回転がやや不安定になり、落ち込む感じがあるのですが、この時に電圧も14.2X付近から一瞬13.4X位に落ち込みます。そしてこの回転が落ち込む現象は全波整流化してから、ややマシになった様な気がします。何が言いたいかと言うと、インジェクション車はエンジンの調子と電圧が密接な関係にあり、安定した電圧が安定した調子を作りだすのではないかと思ったわけです。実際、全波整流化してから迎えた昨シーズンの冬は信号待ちでエンジンが止まると言う現象が起きませんでした。これが全波整流に何か起因しているような気がします。(全波整流化前の一昨年の冬は頻繁に起こっていました)まぁ、実際の所、そこに因果関係があるのかどうかはわかりませんが…。単純に暖冬なだけだったりして(^^ゞ












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